皆さんの声

 神はすべてをご存じである~聖書100週間との再会~

   Sr.藤倉 智佳子(マリアの御心会)

私は、近所の区立図書館をしばしば利用するのですが、ある日宗教図書の棚に、聖書通読を勧める本を見つけ、興味深く手に取りました。一般の図書館にこの本があるということは、信者でない方も聖書を読んでみよう、と思われるきっかけになるかもしれない、と嬉しく思いました。同時に、私自身に「久しぶりに聖書通読をしなさい。」という促しを強く感じました。それで、一人でコツコツ読み始めようとしていた矢先、2022年4月より麹町教会の火曜日夜クラスへ参加のお誘いを(奉仕者から)受けました。思いがけないことでした。神様が先回りしてお働きになったとしか思えないタイミングで、数年ぶりに聖書100週間と再会することになりました。

みことばを一人で読むことは必要なことです。さらに、みことばの分かち合いをするために集うことは、神様のみ心に大変適った行いだと思います。みことばは、みことばによって解き明かされ、それは、聖書100週間の仲間の分かち合いの中に、豊かに実現されることを、毎回体験させていただいています。

聖書100週間の分かち合いは、生活に直結したことも多く、聖霊の働きが「生きる力」に結びついていることは魅力的です。本当に神様と仲間の皆様に感謝しております。また今、わたしの霊に強く働きかけられていることは、主を呼び求めることです。「わたしを呼べ。そうすれば、わたしはあなたに答えを、あなたの知らない隠された大いなることを告げ知らせる」(エレミア33・3)。このみことばに助けられ、聖書100週間の旅を続けていきたいと思います。

長崎・五島巡礼5日間~旅で結んだ信仰の絆~

 本川 恵子(麹町聖イグナチオ教会信徒)

親しい友人からの誘いがあり、私の日本巡礼が実現しました。総勢34名の5日間の旅でした。旅の前半は五島でした。五島列島の天主堂は離れ島にあっての、信仰を中心とした生活文化の拠点でした。

旅の後半には、長崎を訪れました。大浦天主堂は1865年に落成し、この教会の聖母子像の前で、プチジャン神父と潜伏クリスチャンとの劇的な出会いがあり、信徒発見の舞台になりました。潜伏期間は2世紀半にも及び、信仰を守り生き抜いた人々の苦難の歴史に思いを馳せ祈りました。浦上天主堂では、被爆マリア像の前で、平和の願いを祈りました。毎日ごミサに与り、お恵みを頂き、信仰に堅く導かれた5日間でした。 

 キリスト者の生き方の根幹は、キリストを信じ、キリストに一足一足照らしてもらいつつ希望をもって生きること。そして、愛し愛され、聖霊に息吹かれて生きることだと思います、信、望、愛に溢れた巡礼でした。私たち巡礼者は、旅する神の民として、自分自身の中でも、また他者の中にも、主と出会ってゆく体験を重ねました。そして、お互いに自ら、自分の人生の喜びや悲しみを声に出して、他者に語り始めました。そこに、揺るぎないキリストへの愛があり、話し手にも、聴き手にも涙が流れました。今回の旅での34名の結び目は、キリストへ堅くつながり、大切な絆となりました。

顧みますと、人間が生きてゆくことは、人と人との結び目が増えてゆくこと、そしてなくなってゆくことに他なりません。今回の旅で、私はたくさんの結び目が増えました。消極的に無事を念ずるのではなく、積極的に皆様と分かち合うことで、“喜んで生きる”時間を過ごしました。